第207話私にあんなに残酷にしないで

「自分の価値を証明して、エマを守り抜けば、いつかあなたは私を愛してくれるかもしれないって信じてた。でも結局、私が閉じ込めたのは自分自身だったの」

デイジーは静かに、ゆっくりと言葉を紡ぎ、その視線はまっすぐにジェームズに据えられていた。

「ジェームズ、今のあなたは信じてくれないかもしれない。言い訳してるって思うかもしれないけど……私が言ってることは全部、本当なの。ただ、もう少しだけでいいから、あなたに愛してほしかった」

「こんなに好きなのに、どうしてほかの人のことなんて忘れてくれないの?」

赤く腫れた目に、冗談めいた色は一欠片もなかった。

ジェームズはわずかに眉をひそめ、やがて小さく息...

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